足場にはどんな素材が使われているの?部材名や使い方も解説
建設現場の高所作業に欠かせない存在の足場には、一体どんな素材の部材が使われているのでしょうか。
今回の記事では足場に使われている部材名を解説しながら、使用されている素材に注目して解説を行います。
使い方などにも触れていきますので、ぜひご一読くださいね。
足場に使われている素材の種類とは
足場は非常に頑丈である必要があり、耐久性も求められています。
人が上に乗って作業に従事する必要がある以上、強固なものである必要がありますよね。
そのため足場の基本は現在「鋼管」で構築されています。
鋼で作られている頑丈なパイプを、上に向かって組み上げるようにして足場を作るのです。
足場によっては吊り下げるタイプなどもありますが、基本鋼管を使ってオーソドックスな足場を作ります。
組み上げ方は足場の種類によっても異なります。
例として、ハンマー1つで組み立てられる利便性の良さから人気がある「くさび緊結式足場」で解説しましょう。
この足場は支柱を使って強固にし、手摺や筋交などの部材を緊結することで完成させていきます。
緊結ももちろんハンマーで完成するので、非常に簡単で、解体に際してもスピーディーに簡潔することが魅力の足場です。
単管足場と呼ばれる足場の場合も、基本は鋼管を使います。くさび緊結式足場とは異なり、クランプと呼ばれる素材でつないで完成させていきます。
単管足場に使われている管は「単管パイプ」などと呼ばれており、優れた強度を持つ鉄パイプが使用されています。
両端には抜けないように特殊な加工が行われており、強度が高めてあることが特徴です。
足場板にはどんな素材が使われているの?
足場の中でも最も強度が気になる部材と言えば、「足場板」です。
作業員がさまざまな部材を担ぎながら足場板の上を歩く以上、足場は強固なものである必要があります。
では、足場板にはどんな素材が使われているのでしょうか。
実はちょっと意外かもしれませんが、足場板には主に金属製と木製の2つの種類があります。
基本的に一般住宅などの建設現場で見かける足場板は「金属製」が多く、木製を見かけることは少ないでしょう。
しかし、現在も杉を素材にした足場板が使われることもあります。
足場板には以下の3つの種類があり、特徴も異なっています。
1.今は非主流の木製
足場板として活躍していた時代もある木製ですが、現在ではあまり見る機会はありません。
杉板は確かに頑丈ですが木であることには違いなく、雨風の影響によって腐食してしまう恐れがあるからです。
しかし、西日本を中心に好んで使う文化は根強く残っているほか、伸縮性の特徴を大いに改善している足場板も多く、使用しない現場が無くなったわけではありません。
2.軽くて丈夫なアルミ製
足場板の中でも近年主流となっているのはアルミ製です。
アルミは軽くて丈夫であることから、足場以外の建築部材にも多く使われています。
軽量のため足場を作る際にも職人の負担が少なく、すいすいと運べることも魅力の1つです。
アルミ素材は安全性も高く、耐久性にも優れていることから、全国で広く使われています。
3.安定した人気のスチール製
足場板の素材の中でも安定した素材として流通しているのがスチール製です。
腐食しにくく耐久性にも優れていることから、特に北関東~東海エリアなどを中心に広く使われている素材です。
強度が最も優れているので耐久性も良く、維持管理のコストが低く抑えられることも魅力の1つでしょう。
アルミよりもたわみが起きにくいことから重宝されている素材の1つです。
足場材の中古品を使う場合の注意点
足場に使われている部材は、アルミやスチールを素材としたものが多く、耐久性に優れています。
しかし、耐久性に優れていると言っても永久に持つものではありません。
金属製である以上、錆という欠点も有しています。そこで、1つ知っておくべき注意点があります。
それは「中古品」の活用です。
足場の部材自体を一式揃えようとすると、大変な金額が必要となります。
そのため、足場材は中古品も多く流通しており、実際に専門業者も多く足場材を中古で補うことがあります。
魅力的な材料をお手軽に購入できるので、中古品は大きなメリットです。
しかし、デメリットもあります。中古である以上、新品とは異なり経年劣化は進んでいる、という点です。
もちろんアルミやスチールは頑丈であり耐用年数も長いですが、中古品を活用する際には、あくまでも中古品であると認識しておきましょう。
中古の部材はジャッキなどの細かい部材も販売されているので、大変便利です。賢く応用していきましょう。
足場の素材に注目し、適切な管理を
足場には色んな素材が活躍していることに触れましたが、足場の管理については素材の適正を見抜きながら適正に行う必要があります。
足場が弱く、ボロボロになってしまったら作業は大変危険なものへと変化してしまいます。
足場を組み立て、足場上で作業をする人が大勢いる以上、人命を左右する足場部材に関しては適正な管理を心掛ける必要があるのです。
足場における労災の多くは落下ですが、少なからず足場の崩落などによる事故も発生しています。
錆などの腐食には常に気を配りながら管理を行いましょう。
なお、足場の部材についての管理は、労働安全衛生法にも厳しく定められています。
第559条の項目では、足場に携わる事業者は足場の材料(部材)について著しい損傷や変形、腐食はあってはいけないと厳しく定めているのです。
また、足場板のようにまだ使われることもある木製の場合は、虫食いなども管理し、劣化を見つけたら速やかに別のものへ交換する必要があります。
わずかな劣化が足場作業上、バランスを崩すきっかけになりかねないのです。
足場材は法律でも厳しい管理が求められている、と認識し作業に従事をすることが重要です。
管理された安全な部材だからこそ、組立をしても立派で頑丈な足場が完成するのですね。
少しでも足場工事からリスクを減らすためにも素材にあった適切な管理について今一度考えてみましょう。
まとめ
この記事では足場に使われている素材に注目し、部材名や使い方に関して詳しく解説を行いました。
足場には色んな種類、色んな部材が存在していますが、意外なことに木材もまだ活躍しています。
木材よりも強固な素材であるアルミやスチールなどであっても、永久に持つものではない以上、適正な管理や運用を心掛けながら安全な現場運営を実施しましょう。
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