株式会社 北都

本当に必要な足場とは?足場工事の意味を今こそ見つめ直そう

 

建設現場は低層の作業だけではなく、高所作業にも地道に従事する必要があります。

屋根を付けたり、ベランダやバルコニーを付けたりするためには「足場」の存在が不可欠です。

 

では、本当に必要な足場とは一体何でしょうか。

この記事を通して、足場工事の意味を今こそ見つめ直してみましょう。

 

足場とはそもそもどんなもの?

建設現場を見かけると、鋼管で積み木のように組み上げられた足場を見かけることがありますよね。

足場とは文字通り、足を置くための場所です。もっと詳しく言うと「作業スペース」です。

 

足場を通して必要な資材や部材を運んだり、塗装などの施工を行ったりします。

足場が無ければ脚立で作業をするしかなくなってしまい、屋上から作業者を吊り下げるようにして作業を行う必要があります。

 

効率よく作業を進めるためにも、足場という存在は必要な場所なのです。

日本においてはもちろんのこと、世界には非常に古くて立派な構想の構造物があります。

 

ピラミッドのような構造は石を積み上げることで完成しますが、寺社などの建物は石で積み上げられて完成している建物ではありません。つまり、足場の歴史は相当に古く、高層の歴史的な建造物には足場の存在があったと考えられます。

 

足場は現在非常に頑丈な鋼類で作られていますが、丸太や竹など元来は自然の木々を活かして組まれていたことが分かっています。

 

日本においてもとび職は相当古くから存在しており、古くは何と聖徳太子がいた飛鳥時代には建設現場で高所作業が行われていたことが確認されています。

 

歴史的構造物を多く残した名もなき宮大工たちも、足場を使って建築に励んでいたのかもしれませんね。

 

本当に必要な足場工事とは何か

建設関係の仕事に従事をしていないとなかなか足場に関しての知識や経験を共有する機会はないかもしれません。

加えて、足場は決して主役の存在ではありません。

 

建設現場のサポーターのような立ち位置であり、必要に応じて設置・解体を迅速に行う必要があります。

足場は完成品を作るための付属品のようなものであり、主役となる作業を支える場所に過ぎないからです。

 

でも、だからこそ本当に必要な足場とは何か、真剣に捉える必要があります。

 

本当に必要な足場とは「安全」の2文字に尽きるのです。

 

多くの作業者が行き交う必要があり、足場の上を重い資材を持って移動せざる得ない時もあります。

そのため、足場は徹底した安全管理無くして運営はできないのです。

 

足場の安全管理はどう維持していくべきか

足場工事を徹底して安全に施工・解体を実施していくためには、どのように運営を行うべきでしょうか。

この点は2つの視点から語ることができます。

 

まず1つ目は「作業者の能力向上」です。

足場の作業に関してはよく知られているとおり、特別教育をスタートラインとする資格制度が整えられています。

 

実際に足場に関心がある人は、特別教育や、足場の組立て等作業主任者に関する資格などをご存じなのではないでしょうか。

足場に関しては危険が多くとても安全に運営する必要があることから、国が資格制度の整備に関しても力を入れています。

 

こうした資格の取得を通して足場の安全管理能力を作業者が高めていくことが重要です。

 

もう1つは「適正な部材の管理」です。

現在ほとんど丸太足場は使う機会が失われており、自然の素材を使った足場から鋼管の足場へと変容しています。

 

こうした金属類の足場の部材は軽くて丈夫、利便性も高く安全な製品ですが、その一方で金属ならではの弱みもあります。それは錆です。

 

足場は外に放置しながら使うものであり、時には雨に打たれてしまうこともあります。

すると、丈夫で優れた金属であっても錆が進行してしまうのです。

 

こうした事態をできるだけ避けるためには足場の部材に関して徹底的に管理を行う必要があります。

部材の管理に関しても足場の資格取得時には知識として求められており、組み立てに無くてはならない存在であることがわかりますね。

 

作業者から見て足場とは一体どんな意味があるのか

さてここまでは組立をする側の視点に寄り添うように足場について語ってきました。

ここからは作業を行う側、つまり足場の利用者側からの意味を考えてみましょう。

 

足場の必要性をおそらく、もっとも感じることができるのは作業者ではないでしょうか。

 

作業者は屋根工事の業者や塗装業者などが挙げられますが、多くのこうした施工業者は自ら足場を組み立てることは少ないのです。

先に少し触れましたが足場には資格も必要であり、専門業者が作業に従事することが基本です。

 

塗装業者などによっては自社で組立を行うケースもありますが、ほとんどは外注によって成り立っています。

多くの作業者から見ると、足場に対しては「効率」を求めています。

 

決められた日に足場が組み立てられていないと、そもそも作業者は自身が行うべき工程を遂行できなくなってしまいます。

 

また、足場が不要な作業者によっては、速やかに足場を解体してもらわないと次の作業に従事をすることができません。

作業者から見ると足場の設置には効率を求められることが多く、迅速かつ安全な作業で答えることが重要です。

 

安全を守ることはマストなのですが、作業側から見ると足場はあくまでも作業場所であるためスピーディーに対応することが必須です。

作業工程がズレてしまわないように、とにかくスピーディーに的確に、そして安全第一の足場を作ることが大切なのです。

 

足場の種類も大切です。

足場は依頼を受けると現場にどんな足場を設置するか吟味をします。

 

 

作業スペースが小規模にしか確保できない場合には、単管足場、ゆとりがあり確実なスピード感で足場を完成させたい場合にはくさび式緊結足場を作ります。

 

このように足場に関してはどのような形状のものを設置するのかも業者の腕の見せ所です。

騒音の発生をできる限り抑えたい場合には足場の選択にもより慎重になる必要があります。

 

くさび緊結式足場は場合によっては適さない場所も多いので注意しましょう。

 

足場に関しては適切な運用のために、組み立て側の意識と作業者側のニーズを調整する必要があります。

作業主任者はこうした現場の利害関係を調整しながら、適切な足場工事を遂行しましょう。

 

まとめ

この記事では足場の必要性、意味について改めてさまざまな視点から解説を行いました。

足場の運営は一見難しいものに感じますが、たくさんの現場経験を重ねることで意味のある、足場とは何か、理解が深まります。

 

資格の取得などを通すことで足場のプロフェッショナルを目指すことができるのです。