くさび式足場の工事に役立つ知識:特徴や設置方法などを解説
建築工事に欠かせない足場の中でも、利用頻度が高いのがくさび式足場です。
簡単に組み立てられる上、安全性・運搬性も高水準。
非常に使い勝手が良くて資材の流通量も多く、仮設足場の中ではポピュラーなタイプと言えます。
今回はそんなくさび式足場の特徴や使い方などを、詳しく見ていきましょう。
1.くさび式足場の基礎知識:緊結するのが他との違い
くさび式足場は、正式には「くさび緊結式足場」と呼ばれています。
まさしく、組み立てに「くさび」を用いて「緊結」するのが名前の由来です。
くさびは、手摺などのパイプ状の部材の両端についている突起のこと。
これに対して、支柱にはくさびを受け入れるための「コマ」と呼ばれる緊結部が備えられています。
支柱の緊結部にくさびを挿して、ハンマーで叩き込むことで、固定するわけです。
枠組足場と違い、組み立てにジョイントピンなどの余分な部材を使わないため、組み立ても分解も効率的に行えます。
なお、緊結方法によってブリッジ型とポケット型がありますが、いずれも基本的な使用方法は同じです。
2.くさび式足場の特徴や用途について
くさび式足場の組み立てに使う工具はハンマー一つ。
特殊な工具も不要で作業も簡単ですから、迅速に組み立てができます。
しかも、安全性も高いため、一般的な工事で見かける機会が多いのが特徴です。
特に低層住宅の足場としては、このタイプを選ぶことが多いでしょう。
中層建物でも使用可能で、近年は高層建物でも導入されることがあります。
このタイプを使うメリットは多いです。狭い場所や傾斜地でも設置でき、複雑な構造を持つ建物にも対応があります。
作業速度が迅速で工期も短く、コストも安上がり。
しかも、近年は部材の種類も増えてきているので、できることが多くなりました。
後は細かい点ですが、部材の運搬が容易なために交通規制などの面で融通が利きます。
ハンマーを使うので騒音が発生するのと、一般的にはビルなどの高層建物には向かない点がデメリットになりますが、
他には目立った難点はありません。一部の土地で使用できない以外は全体的に優秀で、使い勝手は良好です。
3. くさび式足場で使用する主要部材と組み立て方
組み立ての際、最初に使うのがジャッキベースです。これは足場の最下層で、基礎部分に用います。
高さを調節するための部材となっており、地面に沈み込むのを防ぐため、アンダーベースを下に敷くのが一般的です。
次に、支柱も大切な部材。ジャッキベースに垂直に接続して使います。
支柱は、くさびを受け入れるための「コマ」と、支柱同士を繋げるための「ほぞ」が付いている鋼管です。
「コマ」は手摺とのジョイントに使います。支柱は水平方向に繋げて使うのですが、このままだと抜け落ちるため危険。
落下防止のために、「ほぞ」にはロックピンを用います。
支柱を建物の柱だとすると、横木に当たるのが手摺です。二本の支柱を立てて、その間に一本の手摺を通します。
手すりに付いている「くさび」を支柱の「コマ」に挿し入れて、ハンマーで叩き込めば緊結完了。
こうやって仮設足場の枠を作っていきます。なお、手摺は水平器を使って、水平になるように設置することが大切。
ジャッキベースで高さを調整して、水平にしていきます。
手摺の一種に「先行手摺」があり、安全確保のために大切です。
先行手摺は取り付けた階層の、一つ上の階層に落下防止用の手摺を用意できるのが特徴。
予め安全を確保できるため、上の階層で足場を組み立てる時に便利です。
この製品の登場で、従来のような面倒な安全対策が不要となり、作業効率も改善しました。
支柱と手摺だけでは建築作業の足場としてはイマイチです。このため、踏板とよばれる部材を使います。
踏板は鋼でできた網のような部材で、幅や長さは色々です。塗装工などの職人が、この上に載って作業します。
踏板には後述するブラケットや支柱に組み付けるための、フックが付いているのが特徴です。
ブラケットにも「くさび」が付いており、手摺と同じような使われ方をします。
踏板を安定させるための突起が付いているのが特徴で、安全のためにも重要な部材です。
踏板を載せる他には、複雑な形状の建物に足場をフィットさせるために使います。
手摺より短いため、何かと融通がきくのです。短い手摺でも良いのですが、踏板との相性からこちらを選ぶ場合もあります。
なお、張出ブラケットと呼ばれるタイプは、足場の外側に踏板を張り出させるための部材です。
他には、建物と足場の間に取り付ける、壁あてジャッキも使われます。開口部が大きい時などに、使われる部材です。
建築物の外壁にあてるため、使用は慎重にしたいもの。
後は、足場の倒壊を防ぐ筋交いや、緊結部付布材・腕木も重要な資材と言えます。
4.作業性を向上する資材色々
まず、階段や梯子を取り付けられます。高所へアプローチしやすくなる部品で、状況に応じた配慮が大切。
また、支柱にクランプを取り付けて、緊結部を増やすこともできます。
他には、作業現場の出入り口に使う、キャスターゲートもありますね。
他には、単管パイプは用途が多彩です。例えば、控え材や火打ち材として使います。
単管を接続するためには、クランプを使うのが一般的です。
5.くさび式足場の注意点
くさび式足場は3タイプあります。
具体的には、一般的なAタイプの他に、ビケ足場とも呼ばれるBタイプ、そしてCタイプです。
いずれも互換性がない部分が多いので、注意が欠かせません。同じ規格の資材を集めた方が良いでしょう。
また、それぞれに揺れに対する強さなど、特徴が異なります。部材の豊富さなどから、適切なものを選びたいものです。
まとめ
くさび式足場について紹介してきました。シンプルな構造なので、初めての人でも組み立てられるかもしれませんが、
安全に運用するにはやはり専門家が欠かせません。守るべき技術基準もありますし、
ノウハウがないと倒壊や転落事故が起きる危険性は低くありません。
経験があれば、例えば落下防止用のメッシュを適切に使うなど色々な配慮ができます。
上手に設置すれば安全なだけではなく、施工効率もアップしますから、
足場を用意する際にはエキスパートに相談しましょう。
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